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頭がつるつるぴかぴかに輝いているおじいちゃんが庭にうつ伏せで倒れている。
そのおじいちゃんは、ううっと唸り声を上げた。
「あの……大丈夫ですか?」
わたしは庭先で倒れているおじいちゃんに近づき声をかけた。
すると、おじいちゃんはむくりと起き上がり、「バカ者が~痛いじゃないか。わしの頭にたんこぶができたぞ。久しぶりだな紗英ちゃん」と言った。
「えっ?」
どうしてこのおじいちゃんは、わたしのことを知っているのだろうか? 不思議に思いおじいちゃんの顔をじっと見ると、
「お、おじいちゃん……」
「そうだよ、紗英ちゃん。わしはお前のおじいちゃんだよ」
おじいちゃんはニコニコと笑った。頭には小さなたんこぶができていてなんだか可笑しい。
なんて笑っている場合ではない。だって、おじいちゃんはわたしが九歳の時に亡くなったのだから。
「お、おじいちゃんは生き返ったのかな?
それとも幽霊なのかな?」
わたしはおじいちゃんを指差し聞いた。
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