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「うーん? わしもよくわからんが紗英ちゃんのことを空の上から見守っていたんだよ」
おじいちゃんは首を傾げ答えた。
「わたしのことを空の上から見守ってくれていたの……おじいちゃん」
「そうだよ。おじいちゃんは紗英ちゃんの成長が楽しみじゃった。だが、おじいちゃんは……」
そう言っておじいちゃんは涙をポロポロ流した。そのおじいちゃんの涙は大きな水溜まりを作った。
「お、おじいちゃん泣かないで」
わたしは幽霊なのか天使なのかはたまた生き返ったのか不思議な存在であるおじいちゃんの手をそっと握った。
おじいちゃんの手から優しい温もりが感じられた。まるで生きているかのような温もりだけど……。
おじいちゃんは……。
手を握り合い庭先で頭にたんこぶを作ったおじいちゃんとわたしが感動の再開をしていたその時、
「紗英ちゃん、ご飯だよ」
わたしを呼ぶおばあちゃんの声が部屋の奥から聞こえてきた。
「はーい」
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