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テーブルにはカレイの煮付にお味噌汁、それからわたしの好きなロールキャベツになどが並べられていた。おばあちゃんが作ってくれる料理がわたしは大好きだ。
「おっ、懐かしい。旨そうだな」
おじいちゃんは食卓に並べられている料理を眺め目を細めヨダレを垂らした。
「おじいちゃんヨダレなんて垂らして汚いよ」
「おっと、紗英ちゃんごめんよ。おばあちゃんの料理が懐かしくてな……」
おじいちゃんは頬にべっとりくっついたヨダレを手の甲で拭っている。
「……そっか、おじいちゃんは死んでしまっておばあちゃんの美味しい料理が食べられないんだもんね」
おじいちゃんはきっと寂しかったんだよね。汚いなんて言って可哀想だったかな。
そんなことを考えていると、おばあちゃんが湯気の立ったご飯とおかずをお盆に載せて居間に入ってきた。
「さあ、紗英ちゃんご飯にしましょうね」
おばあちゃんはニコニコと笑いながらわたしの目の前にホカホカのご飯を置いた。
「ねえ、おばあちゃん、おじいちゃんもご飯が食べたいんだって」
「えっ? おじいちゃんが? 紗英ちゃんどうしたの?」
おばあちゃんはきょとんとした顔でわたしの顔を眺めた。
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