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九月四日 11
「さて、もう夜も遅いわけだが……寝るか?」
映画も見終わり、削除して時計を確認したら既に夜も更けていた。
「うん?……ほんとだ、もうこんな時間」
「で、寝るか?」
「泊って良いの?」
何を言ってるんだ?こんな時は
「セックスするか?って聞いてるんだ」
「……」
「クククッ、口が開きっぱなしだぞ」
内股を撫ぜて囁くと顔を真っ赤にさせて俺の方を振り向いた。なんだ、そういうことだろう?夜の遊びとは。堂々と誘ってきたんだ、いくら無自覚でもなぁ?
「だって、そうだろう?夜の遊びとはそういう意味を持つと捉えられるし、この学園ではそういう風に捉えやすい」
「……」
「まさか、そんなことを考えもしなかったって言いたいのか?」
それこそ違うだろう。
「鶴白、お前は期待していたんだ。心の何処か奥底で、俺に近づきたい、なら」
―――どうすればいい?
「ってな。昼の態度からもお前の心境に変化があったのは明確だ。それも、特大のな」
鶴白は目をまんまるにして俺を見つめている。
「なぁ、お前の願いは何だ?」
叶えてやるよ。と耳元でささめく。さあ言えよ、その望みを。欲望を剥き出しにして、愚かに、醜悪に、甘ったるい無様な願いを。それが王たる俺の命だ。
「―――っは」
洩れる息。唇が震えてその望みを外へと曝け出した。
「よくできたな」
それを聞いた俺は鶴白を抱き上げ、流れたままのテレビと明かりをそのままに寝室へと向かう。その際鶴白は借りてきた猫のように固まったままだ。そんなところがまた、面白い。
ギシリ―――
ベッドの上に鶴白を乗せ、俺もその上に乗り上げる。
「あ、あま、かわさ、ま……」
「そのまま大人しくしておけ」
伸ばされた手をするりと撫ぜ、扉の脇に置いてある小棚からローションとコンドームを取り出す。
「一応聞くが、アナニーをした経験は?」
「えっっ、あ、な、ないけ、ど……」
なら面倒だが慣らすしかねぇか。
時計を見る。さて、本番に入るまで何時間かかるか。その頃にはグズグズに悦がり狂ってるかもな。
「あ、あ、あまかわ、さま?あ、ちょ、まって」
「待たない」
そのまま鶴白のズボンのベルトを取り外し、ズボンを下ろす。
「にゃ!?ひぇ……」
「間抜けな声を出すな」
色気が台無しだ。かといって無くなるわけではないが。
その内股を撫で、下着の上に滑らし、ゆっくりと下ろした。
「な、あっ……ちょ、ちょっとタンマッ!」
「なんだ、ここに来て怖気ついたのか」
「あ、うん……あ、いや、じゃなくて!天川様と触れ合えるのは嬉しいなぁって思ってたりするんだけど……って何を言ってるんだ俺!?」
真っ赤になって早口で言い訳をする。ふむ、それならば
「なら止めにするか」
「あ……え?」
そう言って体を起こすと呆然とした表情で俺を見つめてくる。何故だ?止めるってことは嫌だという表現だ。だから、嫌なんだろう?なぁ?
「止めるってことは、そういうことだろう?なら、そうするまでだ」
「え、っと………だ」
最後の方は声が小さく掠れているため上手く聞こえなかった。
「なんだ?」
「やめる、のやだ……」
「「…………」」
ああ、これは逸材だ。
「クッ、ククク…やだか……」
「ッ……」
「なら、続けるか?」
それを見下ろすといつのまにやらゆるりと立ち上がっている男根があった。淡いピンクでそういうことではあまり使ってなさそうだ。
それをゆるりと掴むとまたか細く悲鳴を上げる。それがまた、男の劣情を煽っているとは知らずにな。
「さて、楽しくいこうか」
目を細め、獲物を狙い定めた。
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今回は短めです。短くてすいません。
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