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海岸線の先、遠い未来が見えるような景色は、
僕だけがいなくて、でもみんなが笑っている景色が見えて。
まるで僕のことを忘れてしまったかのように、
手を繋いで、顔を見合わせて笑っている。
そんな景色が、いつか来るんだと気づいてしまった僕は、
頑張れ。そうとしか言葉が出なかったんだ。
僕の心のどこかに、ぽっかりと穴が空いてしまったみたいに、
目に見えるもの一つ一つが音を立てて崩れ落ちていく。
ここに足跡を残していくように、ひたすらに。
いつしかまた、生まれ変わって、
この場所に僕が戻ってこれるように、置き土産しておこう。
じゃあね、いつかこの場所で会おうね。
また生まれ変わって、君に会いに行くから。
次出逢う時は、もっと君が輝く日々を、
たくさん、数えきれないくらい重ねよう。
大切な僕らの思い出、重ね合わせて、
大きい一つのアルバムに、思い出と共に、
仕舞い込んだあの日のメロディーをいつか。
揺れる午後の風に吹かれる僕は、
さよならの言葉さえも、うまく口に出せないまま終わって。
涙が溢れて、こぼれ落ちても、もう僕はここにはいない。
後悔したって、時間が戻ってくるわけじゃない。
ほら、もうみんなは遠くで、笑ってる____
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