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後編
その翌日、桃華は、月乃のSNSの"ウラ"のアカウントをのぞいて、月乃が大変なウソをついていたことを知る。
『11年前のあの日もらった琥珀色の飴玉……大切に宝箱にしまっておいたら、ひとりでに溶けて消えちゃってたなんて。どうしても言えなかった』
……と。
そして、ハロウィンの夜。
母と2人でホウキに乗って漆黒の空を飛びながら、
――来年まで待ったりしないで、明日すぐにでも月乃に会いに行こう……!
そう心に決めた。
一方、高等部の寮に戻った月乃は、自分の父が桃華の母親の上司であるということを、いつかはちゃんと話さなくては……と、悩ましくタメ息をついてから、世にも甘ったるい飴玉の味を思い出して、冷ややかな白い頬をそっとなごませたのだった。
×- - - オワリ - - -×
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