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「こう…くん…?」
彼女は僕の頬に触れて呟いた。雨にかき消されそうな程小さな声だった。
もしも僕が君だったら、君の笑顔はもっと輝いていたのかな。
苦しむことなんてなかったはずだから。
「私のこと…気にしてる…?」
困ったように笑う彼女は明らかに衰弱していた。息も静かに荒げて、肩で呼吸している。
なんて声をかければいいんだ。
僕は間違っていたのか。
「間違って…ないよ」
「……!」
「こうくんは…正しい」
「綾…」
僕の心を見透かした彼女は続けて擁護する。
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