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飯屋で席についたセラは暖かい小籠包スープを散蓮華にのせに口に入れた。
「あっつッ!!」
セラは、小さな口から舌をちょっと出していった。
「そんなに慌てて口に入れるからでしょう」
鳳仙は、困り顔で言って水を差し出した。
水をがぶ飲みしたセラは、コップを置くと、じっと鳳仙を見つめた。
「なあに?」
「鳳仙って、何者? 妖怪や鬼なの?」
セラは、思っていたことを素直に訊いた。
「安心して、妖怪や鬼ではないから」
鳳仙は、見つめられるのに慣れていないのか顔をそむけた。
「ふ~ん、まぁ良いけどね」
「良いんだ……」
鳳仙は、ガクッと肩を落とした。
「だって貴方に悪意があったら私は、とっくに殺されてるはずだもの。それに鳳仙は良い人ぽい、隣で寝てても何もされてないし良い香りだったし」
それを聞いた鳳仙は、飲んでいたお茶を吐き出しむせた。
鳳仙は、寝ているセラの顔を思い出し耳先まで真っ赤に染まった。
「あ―も―何してんのよ。鳳仙……」
セラは、テーブルにあった布巾でテーブルを拭った。
「だって……」
鳳仙は、口を尖らせた。
そんな感じで食べ終え外に出ると、天界からの使い鷹が脚に文をつけてピィーっとないた。
「鷹かい?」
鳳仙は、珍しげにセラの腕に乗った鷹を見た。
「うん、家から来たみたい」
セラは、文の中身を見た。
神官を二人そちらへ手伝いへ行かせる。
すぐにつく。
「すぐにつくって?!」
セラは、文をぐしゃっとさせた。
「お嬢!」
後ろから、呼ばれ振り向くセラ。
そこには、二人の神官キョウとユウゲンがいた。二人とも幼い時から私によくついていてくれた者である。
キョウは、私の兄上の友人でかっちり筋肉質なお兄さんみたいな存在だ。元、天界の傭兵なので腕もたつ。服装も神官っていうよりは、やはり傭兵みたいな黒い格好をして帯刀している。
ユウゲンは、弟ぽい。私の言ったことは大人しく聞いてくれるが、なぜだか、私に男性が近づくと睨んでまわりをびくつかせてしまう。彼も今日は手伝いで来ているから動きやすいように、腰には剣も身につけていた。外見はひょろとしていて背がたかい。
『うるさい二人をよこしたものだ……』
セラは、文を出した閻魔大王に怒鳴りたくなった。
二人は、セラに近づくと赤い服を来た一緒にいる男をいちべつし、
「この方は?」
っと、キョウが訊いた。
「こっちは鳳仙私の友人です。んで、鳳仙、この二人は私の~……」
「「恋人ですっ!」」
二人は、互いを押し付けながら鳳仙を睨んで言ったのであった。
「いや、二人とも友人だから……」
セラは、否定しながら二人を紹介した。
「なるほど」
鳳仙は、二人を見てニヤっと笑って言った。
その態度を見てカチンっときたキョウとユウゲンは鳳仙につかみかかろうとしたが、セラは
「やめなさい!」
っと、言ってとめた。
「っち!」
ユウゲンは、舌打ちしたが知らないふりをした。
キョウは、
「ところでお嬢は何をしてたんです?」
っと、訊いた。
「朝食を食べてこれから、生活に必要なものとか色々買うところ」
そう言ってさっさと、店がある方へ鳳仙の手を引っ張って行った。
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