01~下界へ

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 キョウとユウゲンが後ろから鳳仙をめっちゃ睨んでいるのがわかる。背中に二人の視線がチクチクと刺さる。 キョウは、 「それでなぜこいつを連れていくんですか? ただの友人ですよね?」 っと、痛いとこをついてきた。 「それは……」 セラは、なんと応えようか迷った。 「一緒に住んでるからでしょ」 鳳仙は、一番言ってはならないことを二人へ言ってしまったのである。 「「いっ! 一緒にだって!? 」」 キョウとユウゲンがくいぎみに言った。 「そうだよ、悪い?」 鳳仙は、セラの手の甲に口をつけてニヤニヤしながら言った。 『これは、まずい……』 セラは、 「鳳仙……」 っと、言って鳳仙の口を手でふさいだ。っが、 これがまたも二人を刺激してしまったようだ。 「貴様ぁぁ――ッ! セラから離れろっ!」 ユウゲンが剣を抜こうとする。 「ほぅ、私とやるのか? そんな折れた剣では無理では無いのか?」 鳳仙が手をヒラヒラさせてユウゲンへ言った。 「なに!?」 ユウゲンが鞘から剣を抜くと なんと、剣が折れていたのである。 「鳳仙……何かした?」 セラは、驚いて訊いた。 「さぁ?」 鳳仙は、微笑むとセラの手を引っ張って 「行こう買い物」 っと、優しく言った。 キョウは、 「その剣は、そんなに脆い代物なのか?」 っと、ユウゲンへ訊いた。 「まさかっ! 閻魔大王様にもらったかなり良い品だぞ!」 キョウもユウゲンも 『あり得ない!』 っと思い顔を見合せた。 今現在、閻魔大王様より力が強い者は、現帝様の他は 我々より身分の高い神々だけである。 ……『彼は、いったい……』 キョウとユウゲンは、セラの隣を歩く赤い男に不信感を抱かずにはいられなかった。 とぼとぼと後をついてくる二人を後ろを振り返って見サラは 「二人とも、急に黙りこんでどうしたんだろ?」 っと、鳳仙に訊いた。 「さぁ、俺にもさっぱり」 鳳仙は肩をすくめてとぼけて言ったのである。 セラは、これは本人にいくら聞いたところで教えてはくれないだろうなぁっと思い。後でこっそり天界へ文を書いて閻魔大王様にこの男について訊いてみようと決めた。 そして、気持ちを切り替えると後ろを振り返り 「キョウもユウゲンも鳳仙とも仲良くして! じゃないと連れて行かないんだからね!」 っと、厳しく言った。 「そんな! お嬢!」 キョウとユウゲンは、情けない声をあげセラの後を追った。 セラは、鳳仙にも 「鳳仙もあまり二人をからかわないの」 っと、静かに言った。 鳳仙は、後ろの二人を見ると後ろに身を翻し 「すまんかったな。からかって」 っと、言って頭を下げた。 キョウもユウゲンもそれを見てすごい居心地悪そうにし 「いや、俺達も悪かった」 っと、一応返したのであった。
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