02~古骨董の神様

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02~古骨董の神様

 色々買い込んでボロ屋に戻った四人。 「お嬢、本当にここに住んでるのですか?」 キョウは、顔をひきつらせて言った。 「そうだよ、狭いけど屋根があるから良いじゃない」 セラは、床に座り言った。 「……ちょっと待って下さい! どうやって寝てるんですか? 二人で」 ユウゲンは、訊いた。 鳳仙は、 「こうやって二人で横になってくっついて寝た」 さりげなく、セラの肩をつかみ自分に寄せ、言った。 ユウゲンもキョウもワナワナとした。 「お嬢マジですかっ!?」 ユウゲンなんか、セラに 女性何ですから!とかなんとかブツブツ説教をはじめたのでセラは、話しを変えようと 「それより、二人とも手伝いで来たのでしょ?」 っと、訊いた。 「そうでした。これ、預かってきました」 キョウは、懐から女性の像を出し、セラに手渡した。 「何それ?」 鳳仙は、不思議そうに訊いた。 「天界に住む天女様です」 キョウが、セラをちらりと見てから説明した。 「あぁ、古骨董の神様!」 「……」 キョウとユウゲンは、はぁ? みたいな顔をするのでセラは鳳仙に見えぬ方へ二人を引っ張って行き話しを合わせてもらった。 「なるほど……確かにお嬢とは、言えないですよね」 キョウとユウゲンは、セラに従う。 「なんか、俺、除け者にされてない……」 鳳仙が口を尖らせて床にのの字を書いて言った。 「してない! してない!」 セラは、慌てて言うと鳳仙に薄手の大きな布を渡した。 「? なにこれ……」 鳳仙は、訊く。 セラは、天井を指差し 「それで仕切りつくったら良いかなって」 っと言った。 「なるほどね」 鳳仙は、立ち上がりう~ん? とした顔をすると急にしゃがんで 「セラ上に乗って」 っと言った。 「オッケー」 セラは、鳳仙に肩ぐるまされた。 ユウゲンとキョウが横で口をパクパクさせているが 何故だろう? まぁ、良いや それより、これをはやくやってしまおう。 セラは、すこし背中ののばして天井に仕切り布をつけていく。 「セラ気をつけてね」 鳳仙がすこし顔を横向きにしてこっちを向こうとしたのだが 「ッ!」 セラは、口もとを何故だか袖でおさえて肩をプルプルとふるわせていた。 「セラ?」 鳳仙は、心配になりセラの方をますます向こうとした…… っが、バランスを崩してセラが肩から落ちそうになった! 見ていたユウゲンとキョウが走りよった。 鳳仙が素早く身を翻しセラを抱えた。 「危なかった……」 鳳仙は、そう言ってセラを床におろした。 「ごめんなさい。くすぐったかったの……」 セラは、白い足首をさすりながら言ったもので 鳳仙は、そのセラの無防備な姿を見てまたも赤くなっていた。 「むかしくな。キョウ……」 「そうだなユウゲンよ……」 キョウとユウゲンは、二人の仲良さげな場面を間近で見てしまってとっても解せない顔になったのであった。
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