錦の華

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先輩__基錦野(にしきの)(あさひ)との出会いは、偶然だった。 長期休暇明けの春。ちょうど高校二年生になって一ヶ月がたった頃だった。 この時期には、もう友達が大量にいるのが一般的だろう。しかし、俺にはそんな存在などいなかった。 元より友達づくりができない俺は、所謂"ぼっち"というやつだった。 休み時間は、音楽を聞いたり本を読んで、昼休みは屋上で親が作ってくれた弁当を食って、放課後は部活もしないで独りで家に帰る。 それが日常だった。別に、寂しくもないし不便でもないし。まあ、デメリットをひとつあげるとしたら、分からないことがあっても自力でやるしかないという点だろうか。
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