0人が本棚に入れています
本棚に追加
先輩__基錦野旭との出会いは、偶然だった。
長期休暇明けの春。ちょうど高校二年生になって一ヶ月がたった頃だった。
この時期には、もう友達が大量にいるのが一般的だろう。しかし、俺にはそんな存在などいなかった。
元より友達づくりができない俺は、所謂"ぼっち"というやつだった。
休み時間は、音楽を聞いたり本を読んで、昼休みは屋上で親が作ってくれた弁当を食って、放課後は部活もしないで独りで家に帰る。
それが日常だった。別に、寂しくもないし不便でもないし。まあ、デメリットをひとつあげるとしたら、分からないことがあっても自力でやるしかないという点だろうか。
最初のコメントを投稿しよう!