私は今日も、薬草を育ててます。

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 ピンポンパンポーン。  本日の天気をお伝えします。  本日の天気は、ずっと一生豪雨でしょう。  暴風も吹き荒れ、雷もゴロゴロと止む気配がありません。    なんでも、勇者が魔王の配下であるドラゴンと戦い続けているらしく、天候を操ることができるドラゴンの能力が国全体に波及し、国は常に豪雨暴風雷に飲み込まれているとのことです。  天気は、勇者がドラゴンを倒すまで変わりません。    さて、薬草は、多少の天気や気温の変化ではびくともしないくらい強いので、雨でも雪でも放っておけば勝手に育ちます。  しかし、このレベルの悪天候となれば、話は変わってきます。  豪雨によって水を吸い過ぎると根は腐り始め、腐った根は地面に張りつく力を失い、暴風でピューッと吹き飛ばされてしまいます。  このままでは、せっかく育ててきた薬草が全滅しちゃいます。    つまり、何が言いたいかと言うとですね。   「おっらあああああ!! 雨風雷がなんぼのもんじゃいボゲエエエェェェ!! こちとら連日の畑仕事で筋肉ムッキムキなんじゃあああああ!! 風ごときで吹き飛ばせるもんなら吹き飛ばしてみろやゴラアアアァァァ!! 雷?? 避けちゃるわあああああ!! おら来いよおらあああああ!! 撃って来いやごらあああああ!!」    私は今、薬草を守るため、雨風雷吹き荒れる過酷な環境の中で、せっせと風よけを畑に設置しています。  正直、気休めにしかなりませんが、ないよりはあったほうがはるかにマシなのです。  手塩にかけて育てた可愛い可愛い薬草を一つでも多く救うべく、私は己の身が雨でビシャビシャになるのも、風で髪も服もボロボロになるのも厭わず、やるべきことをやっています。   「勇者めええええええええええ!! ドラゴン退治に何日かけとんのじゃあああああ!!」
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