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向かいに立っていた男性が体勢を崩して
こちらに倒れてくる直前で
手すりに捕まり覆い被さる寸前で
体を支えて距離が近づいた
「あっ・・・すみません」
驚いて見上げた私に小さく会釈しながら
謝まり向かい側の入り口付近に戻る
「いえ・・・」
衝撃で崩れた髪を整えようとした手が
片方の耳をかすめて
イヤホンが耳からこぼれ落ちた
拾おうとすると
再び電車が揺れて
体制が崩れ倒れそうになるが
誰かが腕を掴んでくれたおかげで
倒れずにすみ
その手の主を今度はしっかり見上げた
その人は
限りなく銀色に近い髪の毛
大きな目
薄い唇
綺麗な筋が通った鼻
少し年上に見える男性だけれど
綺麗な長い指で
倒れそうな私の手首を握り
支えてくれていた
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