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1話
俺は星羅。父と再婚してできた母がいる。そして母が連れてきた義理の弟がいる。今の時代ごく普通の高校生。
「おい星羅、聞いてるのか。」
「聞いてる訳ねーじゃん」
学年一の悪ガキだ。わかってるなら直せ、そんなこと言わないでほしい。直せないから直ってないんだ。考えたらわかる話だ。
「んじゃさよならっ。」
三時間目の数学、俺は授業を抜け出した。俺は一番の悪ガキだが、仲間だっている。俺一人なんて寂しいに決まってる。一匹狼なんてただのかっこつけのぼっちだと俺は思ってる。
「おせーな星羅、ほらお前も。」
「おお。サンキュ。」
いつもの日課だ。暇になったらダチと屋上でサボる。授業なんて聞いてなんの得になる。遊んでたほうがよっぽどましだ。
「今日の獲物は決めたか?」
「あいつだ。確か名前は星榎。家はカネマみたいだ。」
「じゃりじゃりもらえるな。」
そして獲物狩り。正直に言ってしまうといじめだ。殴って蹴って、金奪って。それがスリル満点で楽しい。俺の家は貧乏って訳でもないが、ダチが貧乏なところが多いからそれはそれって感じだ。
「そろそろ獲物狩り行こうぜ。」
オンラインゲームを学校のWi-Fiを使ってやっていたら2時間余裕で経っていた。
「俺らの獲物狩りだ~!」
「お~!」
俺らの声を聞いて先生達が警戒し始める。もう毎日やっているから仕方がないだろう。俺は今回、獲物を待機場所に連れてくる係だ。案外俺らだって計画的にやっている。
「星榎くん、ちょっとおしゃべりしない?」
「ひっ…」
案の定怖がられる。優しく言っているつもりなのに。仲間の顔が悪いのか。そうだ。俺は今ぐらい優しい顔をしている。
「おい、待てって。だべるだけだからよ。」
逃げてい獲物を追いかける。逃げられたら強制的に連れていく。
「ほーら。」
「よいさっと。」
俺の仲間が獲物を捕まえて待機場所に連れていく。獲物は叫んだが俺らに抑えられてようやく声を出さなくなった。
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