プロローグ〜全てはここから始まった〜

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そんな友季の言葉に、 「へぇー。トモくんのクッキーの味ってことは、私って相当美味しいんだ?」 舞は特に深い意味もなく問いかけたのだが、 「……え? 何? それって、舞のこと食べていいって意味?」 別の意味に(とら)えた友季が、すぐに舞をソファーの上に押し倒した。 突然男の表情(カオ)を見せる友季に、 「えっ……」 そんなつもりは全くなかった舞が、驚いて目を大きく見開く。 「舞……」 舞の左頬に右手を優しく添える友季の表情は、とても苦しそうで。 友季の悲しそうな視線が舞の視線とぶつかった直後、舞がそっと目を閉じる。 それを合図に、すぐに重なる唇。 舞の唇を割って侵入してくる柔らかい熱に、 「んんっ……!」 舞の苦しそうな吐息が漏れた。 何度も角度を変え、噛み付くようなその激しいキスに、舞は無意識のうちに友季の首に腕を回してしがみついていた。 友季はそれに応えるかのように、舞を抱く腕に力を込める。 ……最近、ずっとこんな感じだ、と舞は友季に口内を犯されながら、ぼんやりと思った。 舞が怖がらないように、友季が自分の欲求を抑え込んでくれていることに、舞は当然のように気付いていた。 というか、頻繁に激しいキスをされていたら、いくら鈍い舞でも流石に気が付く。
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