浮気相手の正体

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「お姉ちゃん、彼女とかいるの?」 ……彼氏じゃなくて、彼女? 「彼女は……いないよ」 舞は面食らいながらも素直に答えた。 「じゃあ、今日からお姉ちゃんは私の彼女ね!」 愛華のそんな言葉に、 「愛華? 愛華もこのお姉ちゃんも、2人とも女の子なんだぞ?」 友季は慌てて諭そうとしたが、 「人を好きになるのに性別なんて関係ないでしょ。友季ってば、遅れてるわね」 愛華はそんな一言で一蹴(いっしゅう)した。 「……」 目を大きく見開いて黙る友季を隣で見ていた舞は、 (イマドキの幼稚園児の恋愛観って、怖い……) そんなことを考えていた。 「ねぇ」 ずっと黙って友季と舞の話を聞いていた初華が、不意に舞の目を真っ直ぐに見つめる。 「友季のヤツ、学生時代と比べて見た目が全然違うんだけど、過去の姿とかそういうの気にしないタイプ?」 興味津々な様子の初華の質問に、 「友季さんが高校生の頃に一度お会いしてますけど……」 舞は言葉を慎重に選びながら答えた。 それを聞いた瞬間、 「……もしかして、ランドセルの天使!?」 初華が驚いたような表情で、舞の顔を指差してきた。
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