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「……!」
大きな瞳いっぱいに涙を溜めて、必死に痛みを我慢する舞。
指の時とは比べ物にならない強い痛みに、思わずシーツを強く握り締めた。
友季は辛そうな様子の舞を気遣いながら、ゆっくりと時間をかけて舞と完全に一つになる。
「……っ、舞……」
舞の顔を挟むようにして両手で頬に優しく触れる。
「辛いなら、無理しなくていいから」
友季の言葉に、
「やだ……トモくん、やめないで……」
慌てて首を横に振る。
その時に、ずっと我慢していた涙が一粒、ポロリと零れ落ちた。
友季はそれを指で優しくすくい取り、
「分かった。じゃあ、せめて涙は我慢しないで。それまで我慢されると、俺が辛い」
困ったような顔で優しく微笑む。
「……泣いても、途中でやめない?」
その一言で、舞が涙を我慢していた理由を察した友季は、胸がぎゅうっと締め付けられるのを感じた。
シーツを握り締めている舞の手をそっと解き、お互いの指を絡めるようにして、きゅっと優しく握る。
「寧ろ、舞が可愛すぎてやめてあげられないかも……」
切羽詰まったような、余裕のなさそうな友季の表情に、舞はまたお腹の奥がキュンと疼いた気がした。
「……っ」
友季は一瞬だけ辛そうに顔を顰め、
「でも、本当に辛かったら言って。すぐにやめるから」
舞の様子を窺いながら、ゆっくりと優しく動き始めた。
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