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「……っ」
喘ぎ声とは程遠い、舞の苦しそうな吐息に、
「舞……」
友季は胸が締め付けられながらも、その行為を止めてあげることが出来ない自分をもどかしく感じた。
舞はこんなにも辛そうなのに、
(……どうしよう……やめたくない……!)
勝手に動く腰を、もう自分の意志では止められそうになくて。
繋いだ舞の手を、ぎゅっと強く握ると、
「……?」
舞が不思議そうに友季を見上げる。
友季と目が合った瞬間、舞が目に涙を滲ませたまま、にこっと微笑んだ。
「トモくん……好き」
「……!」
その瞬間、優しい律動を繰り返していた友季の動きが、突然激しくなる。
「いっ……痛い……!」
思わず涙ぐむ舞だったが、
「舞……!」
完全に余裕をなくした友季の顔を見て、彼から目が離せなくなった。
行為は激しくなっても、繋いだ手から伝わる愛情に、乱暴に扱われているだなんて全く思えなくて。
普段は大人で意地悪で、余裕ばかり見せているような友季が、自分との行為でここまで切羽詰まった表情を見せていると思うと……
ドキドキしないわけがない。
「トモ、くん……」
友季の汗ばんだ頬に、繋いでいない方の手を伸ばしてそっと触れると、彼は更に苦しそうな顔をして舞を見つめ、
「舞……」
愛おしそうに舞の唇にキスを落とす。
「トモくん、大好き」
「舞っ……愛してる……!」
その言葉と共に、友季はついに舞の中で果ててしまった。
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