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「トモくん……」
友季の言葉は口先だけではなかったのだと痛感して、舞は思わず涙ぐむ。
その涙に気が付いた友季は、
「えっ、泣いてんの!? ごめん、やっぱり嫌だった?」
これ以上ない程に慌てふためいた。
「途中から優しく出来なかったから……ごめんな、痛かったよな」
勘違いをしたままの友季は、舞をぎゅっと抱き寄せて、頭を優しく撫でてくれる。
「トモくんは……?」
舞が訊ねると、
「えっ?」
友季は不思議そうな顔で舞の顔を覗き込んだ。
「その……私として、トモくんはどうだったのかな、って……」
舞も恐る恐る友季の目を覗き込んで、
「……物凄く気持ち良くて、めちゃくちゃ幸せな気持ちになりました」
嘘をついても仕方がないと観念した友季は、正直に答えた。
友季の答えを聞いた舞は、ずっと腕枕をしてくれている彼の胸にそっと顔を埋める。
「それを聞いて、私もめちゃくちゃ幸せな気持ちになりました」
「……っ、なんでそんなに可愛いこと言うの」
友季は自分の胸にいる舞をぎゅっと強く抱き締め直した。
「……そんなこと言われたら、また襲いたくなるだろ」
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