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「漸くこれで終わりにできるね。」
「終わりじゃないよ。」
もう二度と戻らない。
もう二度と戻れない遠いところまで、私は来てしまった。これからもどんどん流されていく。もう二度とここに来ることはないし、彼女に会うこともない。
それでも過去は消えない。消せない。
「思い出になるの。」
あの日の喜びも笑顔も後悔も涙も全部振り返らずに、それでも何もかも全部抱きしめて私はまた進んでいく。
「あの日、置いていってごめんなさい。」
「うん、ずっと待ってた。」
「ごめんね。」
「長かったわ。」
「ごめん。」
「どうしていいかわからなくて。」
「ごめん。」
「自分がどうしたいのかもわからなくて。」
「ごめん。」
「でも一人は嫌だった。」
「傷つけちゃいけない人を傷つけた。」
「でももう、逃げないことにしたの。」
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