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これはボーナスステージなのよと、彼女は呟く。
最後の猶予期間。
これが終わればもうここに帰ってくることはできない。だから…。
「だから、さよならね。」
もう立ち止まっちゃ駄目よ。
それは最後の彼女の優しさだった。
流れていく日々、振り返ることも悩むことも許されず、ただ進んでいくしかできない私。
もう後戻りはできない。一人でただまっすぐに進んでいくしかないんだと。
「最後に会えてよかった。」
たった一人、私が私でいれる場所をくれた人。
いつか私が輝くその日を一緒に想像した人。
涙が一滴、目から溢れて零れた。
END
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