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彼は私に初めてできた後輩で、彼が入社したときからずっと一緒に仕事をしてきた。
一緒に仕事をして、晩御飯を一緒に食べるようになって、お互いの部屋に泊まるようになってどれくらいの月日が流れただろう。
それでも彼は後輩だからと、心の中で誰にでもなく言い訳を繰り返していた矢先の出来事だった。
私に本部への昇進の辞令がでたのは。
それを聞いた彼は、ただ素直に喜んだだけだった。
今までのように会える距離でなくなることを知りながら、笑顔でただ「おめでとう」と笑った彼に何だか無性に泣きたくなった。
いつだってお店を決めるのは私だ。
彼は黙って私の意見に従うだけ。
私はずっとそれが嫌だった。
彼は仕方なく私に付き合ってくれているのだと、なんとなくそう感じてしまってずっと嫌だった。
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