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「あのっ、ごめん。大事なこと説明するの忘れてた。」
ガタガタと机を動かし俺の机とくっつけた雨宮はそう言ってきた。
俺の転校は急だったからまだ教科書とかがないらしい。
「この学園って初等部から男女分かれてるし街からも離れてるしで、ぶっちゃけると男同士が当たり前になってるんだよね。」
「へぇー、なるほどな。」
それを聞いて、ここ来た時いきなりキスされたのはあいつがたまたまゲイだったからとかじゃなく、ここでは普通だからか、と納得した。
「えっ?もっと驚くとかないの!?」
「まぁな、俺もぶっちゃけるとそっちの方が都合いい。」
「もしかして……ゲイ?」
「じゃねーけど。女とやれねーなら男とやるしかねぇだろ?」
「そ、そーゆーもん……?」
「お前アレか。童貞か。」
「ど、童貞じゃない!かろうじてっ!」
「かろうじてぇ?」
「その、前付き合ってた彼女いたし……。あ、でも!男としたことはないよ。」
「ここでは普通なのにか?」
「俺ここには高校から入ったから。」
「男もまぁ悪くねぇぜ?つかヤれりゃなんだっていいけどな。」
「マジで?いや、ヤろうとは思わないけどさ。」
そんな感じでちょいと盛り上がりつつエロい話しをしてたら一時限目の教師が入ってきて話は終わった。
雨宮は見た目通り真面目に授業受ける気らしい。
地味な奴だしビビってたしで最初はどうなることかと思っていたが、話せば普通の男子校生だった。
どこまでも平凡をいく奴だな。いや、重度のブラコンを除いては、だ。
授業はクソつまんねぇが抜けられる雰囲気じゃねぇし、苦痛な時間が過ぎていった……。
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