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「あの、日向くんって帝先輩と知り合い?」 「ああ、幼なじみだ。」 「そっか、急に転入生がくるって言うからどんな子かと思ってたんだけど……。」 「裏口入学だろうな、確実に。」 「だ、だよね……。」  教室に戻りながら雨宮からこの学園についていろいろ聞いた。  ここ、東雲学園は学費が高くお金持ちがほとんどらしい。雨宮は授業料免除の特待生だとか。  まぁ俺の家もそこそこ裕福な方だ、金銭面では問題ないだろう。しかし、この学園の凄いところは金だけじゃ入学できないってこと。  偏差値は1位2位を争うくらい高く、家柄よし頭よしの選ばれた人間しか通えないと有名な学園らしい。  その分ここを卒業すれば将来に困ることはないんだとか。 「その中でも飛び抜けて成績がよかったり顔がいいと生徒会に選ばれるんだ。」 「顔……。」 「ほら、ここって男同士が普通になってるって言ったじゃん?顔がいいと人気があって親衛隊なんかもある。……だから、生徒会には近付かない方がいいよ。」 「あー、抜け駆け禁止とかそういうやつか?」 「まぁ、そんな感じ。特に今期の生徒会長は顔もいいし家柄も頭も運動神経も飛び抜けて良いんだけど、一般生徒には見向きもしなくて、高嶺の花って言われてる。もし近づく奴がいたら嫉妬とか凄いだろうなぁ。」  どうやら俺はとんでもないとこに来ちまったようだ。前いた学校じゃ考えらんねぇ。  あれか、頭のいい奴ってのはやっぱどっかイカれてんのか。  いや、雨宮は普通だったな。……うん、まぁ少なくともまともに話せる奴だ。こいつが同室で良かったかもしれない。
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