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次の日、昨日と同じく雨宮に起こされ朝飯食って登校。
あー、この先ずっとこんなんが続くのかよ。確かにこれじゃあ頭もおかしくなるわ。
そう思いながら机に突っ伏してるといきなり教室の空気が変わった。
今まで普通に雑談していた生徒達がひそひそと話し出す中「あっ、西城くん!」という雨宮の声と。
「誰こいつ。」
「……あ?」
明らかに俺に向けられた声と鋭い視線に顔を上げれば、ガラの悪い奴が目の前にいた。俺も人のこといえねーけど。
「昨日転入してきた日向 日向くんだよ。こっちは、西城 玲輝くん。」
「ふぅん。」
西城とか言う奴は適当に返事を返すと俺の前の席に座った。
ああ、昨日空いてた前の席はこいつか。
「西城くん風邪はもう大丈夫なの?」
「あぁ。」
「はいこれ、休んでた分のノート。」
「わりぃな。」
西城と雨宮のやり取りを見ながらなんとなく悟った。
雨宮の兄スイッチが発動しちゃうタイプだな、と。
それにしても、このお坊ちゃま校にしてみれば珍しいタイプだ。俺はあれだ、裏口だから例外だ。
その証拠にクラスの奴らは遠巻きに見ていた。
髪はシルバーに染められていて右側だけ後ろに流している。目も、シルバーだったな。シルバー好きなのか。
アクセとか俺と同じくらいついてるけどほとんどがシルバーだ。あ、あの指輪俺の好きなブランドじゃん。
もちろんというか制服は着崩していて、顔はいい方だろう。というか、ハーフなんかな?日本人より少し掘りが深いけど、外人です。って感じでもないな。
「……なんだよ?」
まじまじと西城を観察していたら視線に気付いたのか眉間に皺を寄せて話しかけてきた。
それに臆することなくニッと笑みを浮かべ、
「なぁ、トイレ行かねぇ?」
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