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つまり、周りから距離を置かれてる西城と話をする雨宮とも関わろとしないわけで。
それなら雨宮から離れればいいんじゃねぇ?って話しだがあの世話焼きはほっといてくれないだろう。
言われて見れば昨日1日雨宮といたが他に親しそうな奴はいなかった。
あの性格なら友達がたくさんいてもおかしくないだろーに。
でも……。
「お前も、ダチいねーんじゃねぇの?」
上体を起こしベンチの背もたれに腕を置いて西城に向き合う。
「俺は別に、好きでこの格好やってっし。ここの奴と仲良くする気はねぇな。」
確かになぁ、その気持ちは分かるかもしれない。あんま気にしないようにしてたが、人のことチラチラ見ながらコソコソしてる奴ばっかで、そんな奴こっちから願い下げだわ。
「じゃあ、俺は?」
「ん?」
「俺とも仲良くしたくねぇ?」
口端を吊り上げ挑発的な笑みを浮かべれば西城も同じように笑みを返してきて。
「してやってもいいぜ?」
「はっ、上等だな、れき。」
「ふっ……よろしくな、ひなた。」
絶望的に思えた学園だったが、友達がいねーこいつらのダチになってやるのも悪くねーかなーなんて。
この学園での自分の居場所が、出来た気がした。
***********
あの後玲輝と雑談していた。
玲輝は見た目に反して頭がいいらしい。まぁ、この学園に入れるくらいなんだから頭いいんだろうけど、テストは毎回10位以内キープしてるとか、意外すぎる。
俺はもちろん裏口入学でっす!
と胸を張って言っといた。ら。すんなり納得されたのは地味にショックだ。
あまりサボると雨宮が心配するってことで2時限目に戻ると、案の定怒られた。
でも、サボリのこと怒られるのかと思ったんだけどそれじゃなく、適度にサボるのは良いけど嘘は泥棒の始まりだからね!と言われた。
ホントにこいつは、良い奴だな、と改めて思った。
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