手で淫らと書いて手淫と読む

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「さて、颯斗くん。今日は何の日か分かるかね?」 「は?」  部屋のリビングのソファに座りテーブルに両肘をつき、組んだ手の上に顎を乗せて颯斗に聞いた。  いつもと違う俺の様子に疑問に思いながらも考え始めた。 「……なんかあったっけ?」 「じゃあ今日は何曜日?」 「土曜日だけど。」 「そう!つまり!休日だ!」 「えっ?う、うん。」  バンっとテーブルに手をつきその勢いで立ち上がる。 「つまり!この檻から出られる日だ!」 「檻って……。」 「というわけで、あでぃおーす!」 「……いってらっしゃい。」  俺は外出届けの紙を握りしめ、部屋から出た。  颯斗は変な目で俺を見てたけどわかっちゃあいない。俺がこの日をどんだけ待ち望んでいたか!!  帰ったらまず女ひっかけてヤる!ヤりまくる!  颯斗と抜いたけど最後まではしてないんだ。俺の可哀相な息子が穴に入りたいと泣き叫んでいる!!  寮の入り口にある管理人室にいるおっさんに届けを出すと、なにやらパソコンでチェックを始めた。 「あー、日向日向くんね。親御さんから話しは聞いてないのかい?」 「へ?」  意味が分からず首を傾げる。  颯斗から聞いた話しでは外出届けを出すだけでいいって言ってたのに。 「いや、親御さんからね、外出は月に1回だけ許可するように言われてるんだ。だから土曜と日曜の2日間は許可出せないよ。」 「なん、」  だとお!?!?あんのクソ親父っ!!  突然の事態に頭がついていけず放心していると新しい外出届けを差し出された。 「それで、どうする?」
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