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「なるほどな……。みんな心配してたぞ。」
「それでお願いがあるんですけど、今から溜まり場にメンバー集めて欲しいんです。」
「分かった。けど俺も行く。」
「え、バーは?」
「非常事態だ。少しバイトの奴に頑張って貰う。」
「非常事態って……。」
そんな大袈裟な。と言おうとしてやめた。
この人のことだ。俺がメンバーを集めて何をしよーとしてるか勘付いてるのかもしれない。
俺はこの辺ではそれなりに有名なANGELっていうチームに入っている。
今はここのオーナーであるこの人、翼さんはANGELの前総長だ。
翼さんは今でも語り継がれるほどの伝説を残してるスゴイ人で俺の尊敬する人でもあり、まだ総長やってたころはいろいろ世話になった。
今ではすっかり落ち着いていて金髪だった髪を茶髪にし、いつもビシッとセットしていたのもやめて自然に流している。
そんな格好でもガタイの良さと、もともと顔が厳ついからか、威圧感が消えてないところはカッコいいと思う。
「マジお坊っちゃんばっかですよ、あそこ。」
「そういうお前も金持ちの息子だろ。」
「……俺がお坊っちゃんに見えます?」
「ははっ、ねぇな。」
カクテルを出して貰ってそれを飲みながら、翼さんは店の準備をしながらいろいろ話していた。
「しっかし、あのお前が男子校とかなんのギャグだよ。」
「女遊びも親父にバレたんすよ……。」
「女紹介してやろーかぁ?」
「ありがたいっすけど、7時にはここ出ないとなんで。」
「そりゃあ、ご愁傷様。」
「はぁ……。」
翼さんは面白そうに笑ってるけど俺にとっちゃ死活問題だ。
頬杖をついて溜め息を吐いた。
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