手で淫らと書いて手淫と読む

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「なに、言ってんだ……?」 「だからな、月に1回しか学園から出られねーんだよっ。」  涼の真っ直ぐな目を見ていられなくて、でも逸らしたくはなくて、視界が揺れる。  さっき連絡つかなくなったこととかは話したけど、これはまだ言ってなかった。  ……言えなかった。  いや……、本当は言いたくなかった。  でも言わなきゃいけないことだから。  知らずに握った拳にギュッと力が入る。  俺だって好きでこんなことしてるんじゃない。  けど……それを作った原因は俺だってことも理解してる。  全部俺のせいだ。だから何言われよーと覚悟は出来てる。 「う、うそっすよね……?そんな……。」 「……。」  沈黙を固定と受け取ったメンバーの間に気まずい空気が流れる。  俺の胸倉を掴んでいた涼の手は力を失ったかのようにだらりと垂れた。 「……総長は涼がやってくれ。副総長は……哉斗、お前に任せたい。異論はねぇよな?」  メンバーの顔を見渡して確認するが、みんな困惑しきった顔をしていて、誰一人声を出そうとする奴はいなかった。  そんな時、今までずっと黙っていた翼さんが立ち上がって俺に歩み寄ってきたのが見えて身体が強張る。 「ざけんなよ。」  一度も向けられたことのない低くて鋭い声が突き刺さった。  覚悟は、出来てる。してきたつもりだ。  それでも、目の当たりにすると、少し怖い。  怒られるのがとかじゃなく殴られるのがとかじゃなくて、嫌われるのが。  こんな情けねー総長なんか、幻滅されて当たり前だ。 「てめぇ、なめてんのか?」 「…………。」
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