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「たかだかそんな理由で、こいつらがお前をチームから抜けさせるわけねーだろうが。」
「……え?」
「なぁ?お前ら。」
翼さんが振り返ってみんなに声をかけた。
「そ、そっすよ!別に抜けなくてもいーじゃないっすか!」
「そりゃ、月一しか会えないのは寂しっすけど、でも抜けるなんてもっと寂しいじゃないっすか!」
「いきなり抜けるなんて言い出すからビビったけどよー、くっだらねぇ理由じゃねーか。」
ある奴は笑いながら、ある奴は呆れながら、安心しながら、泣きそうになりながら、口々に声を上げる。
俺は目の前の光景に目を疑った。
お前なんかもういらね―っとか、早く帰れとか二度と来るなとか、そんなこと言われると思ってたのに、みんな何言ってんだ……?
「で、でも!総長がほぼ不在なんて箔がつかねーし!」
メンバーの反応に満足した様子の翼さんが顔をこちらに戻してニヤリと笑った。
「見くびんじゃねーぞ。こいつらは……ANGELは、そんな程度で堕ちるチームか?」
「い、いや……。」
「なら、なんも問題ねぇな。」
そう言われながら肩を叩かれたけど、俺はまだ腑に落ちなかった。
「な、なんで……?」
「ANGELをその辺のチームと一緒にすんじゃねーよ。ちょっとやそっとじゃ崩れねえからよ。それに家の事情なら仕方ねぇって、みんな理解出来る奴らだ。」
「そうそう、後みんなひなたのこと好きなんだぜ。なぁ?哉斗?」
「ええっ!?あ、いや!好きッスよ!」
翼さんも、涼も、哉斗も……。
みんなの反応が嬉しくて目の奥が熱くなるのを感じた。
泣くなんてみっともねーから絶対にしないけど。
「サンキュ……。俺も、お前らが好きだぜ。」
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