119人が本棚に入れています
本棚に追加
「そーだけど、アンタが迎えの生徒?」
「ハッ、それ以外になんだっつーんだ。バカか?」
むっかーー!!なにこいつムカつくうぜぇ!!初対面で鼻で笑いやがったぜぶっ飛ばしてやろうか!?
確かに迎えの生徒がくるっつってたけどよ!流石にそれはないんじゃねぇーの!?
上から目線で見下ろしてくる目の前の奴は、パッと見は真面目ちゃんな印象を受けたのに。
新品かと見間違う程シワひとつない制服に、1度も染めたことなさそうな艶やかな黒髪は短すぎず長すぎず。顔立ちは綺麗目でスラリとした体型はどちらかと言うとインテリ系だ。
こういう、性格悪くても顔だけでモテるやつっつーのが1番ムカつくんだよな。
不躾にも俺の事を品定めするかのように上から下までジロジロ見てきやがる。
「ふぅん、なかなかいい男だな。」
「は?」
「俺と付き合え。」
「はぁあああ!?」
ダメだこいつ頭イっちゃってんな。俺は知ってるぜ。こういうのを残念なイケメンっつーんだろ?
こういう奴はまともに相手したら負けだ。
「さっさと案内しろよ。」
「あぁ……そうだな、来い。」
ほらな!こいつとはもう関わんねーようにしよう案内してもらって今日で一生おさらばだ!
***********
「なんだこの学園……ってか……森?」
クソうぜぇ案内人に付いてきたはいいが、見渡す限り木、木、木、木……。
さっきいた場所は確かに立派な門があって綺麗に整備された道並があったんだが、まるで別世界のようにその面影がなかった。
ま、まさかと思うが……。この学園、森でキャンプがデフォとかじゃない、よな……?まさかまさか、だから全寮制……?男子校……?
「ぶふっ!」
俺の血の気がサーッと引いてきたときに突然目の前の何かにぶつかった。
なんだ?と思って前を向けば黒いものが見えた。
これクソ野郎の髪の毛じゃねぇか。どうやらよそ見してたせいで立ち止まったこいつにぶつかってしまったらしい。
……微妙に俺より背高いのがまたムカつくんだよな。俺177cmはあるのによ。
「着いたのッ……ッ!!」
最初のコメントを投稿しよう!