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親衛隊って確か……ファンクラブみたいなやつで、抜け駆け禁止とかいうアレだったか。
俺たちは寮に向かって止めていた足を進めた。
「ふ~ん。しっかし、勘違いで突っかかってくるっていい迷惑だな。この学園ってホント……。」
言葉を言い終える前に玲輝がピタリと立ち止まり、ゆっくり、ゆっくりと顔を此方に向ける。
「な、なんだよ……?」
もともとの機嫌が悪すぎて、今の発言がまずかったのか分からないけど、ものすごく睨んでくる。
俺も再び立ち止まって様子を窺っていると深い溜め息が吐き出された。
「そうか……日向は知らねーのか……。」
「なにが?」
「さっきお前の隣に座った奴。アレが生徒会長。」
「へっ?」
なんとも間抜けな声が出てしまった。
あんな……ネジが一個飛んでるような……いやむしろネジが一個しかないような奴が、生徒会長……?
宇宙人語で生徒まとめてんのか。そりゃこの学園がおかしくもなるわ。確かに顔は凄く綺麗な奴だけども。
あれ?でも待てよ。
ふと、颯斗の言葉を思い出した。
「……生徒会長って生徒に興味ないとか聞いたんだけど?」
「イケメンにしか興味ねぇからな。それに、あんなんでも一応親衛隊のこと把握してんじゃねーの。他の生徒が見てる前で何かするほどバカじゃないっつーのは唯一の救いか。」
なるほど。だから手を出されてない颯斗は……というか殆どの生徒は知らないわけか。
「ま、それで優越感に溺れるバカもいるし。それを利用してる節もあるな。」
「なかなかのやり手だな。」
「だから気をつけろっつってんだろ。」
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