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でるのに少し時間がかかったけど慌てた様子で出たからよしとしよう。
「いや特になんもねー……。」
『かなとー!誰と話してんのー?』
『あ、涼さんっ。総長からっす!』
んだけど……と続けようとした言葉は電話の向こう側から聞こえた声に口を閉じる。
涼……?なんで哉斗と一緒にいるんだ?哉斗は家庭の事情とかで土日は出てこないって話しを昨日した覚えがあるんだが。
『あ、もしもしー?』
どうやら哉斗の携帯を奪い取ったようで、涼の声がはっきりと携帯から流れた。
「暇してんなら電話出ろよ。」
『ん?……あ、わりー。気がつかなかった。』
「哉斗と溜まり場にいんのか?」
『ちげーよー?哉斗が出てこれないってゆーからぁ、わざわざ家にきてやったの!ってなわけで今お取り込み中なんで、邪魔しないでねー!』
『ちょっ涼さんっ!なんすかそ』
プッツーツーツー
哉斗が言い終わる前に通話が切れた。
くそ、楽しそうだな。俺も混ざりてー。
電話で暇つぶそうとしたのになんだか切ない気持ちになってしまった。
今度は颯斗にかけよう。
そろそろ留守電になるかなーって思ったころにやっと出た。
『もしもし?』
「今なにしてんの?」
『今?今は……』
『兄ちゃんの番だぞー!早くしろよーっ!』
『あ、ごめん!今弟と遊んでんだ。またね……。』
「あぁ、またな……。」
またもや早くも通話が終了してしまった。
なんだよちくしょー。みんな楽しそうで羨ましい。
颯斗は弟が3人いるっつってたしな。
弟の世話するために実家帰ってんのか。
じゃあ次は……玲輝のアドレス帳を開いて、少し迷ったけど電話をかけた。
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