119人が本棚に入れています
本棚に追加
けど、ここじゃあ俺は不評なんかなー?
嫌われてる感じはないと思うんだけど、誰も声かけてこねぇ。
容姿には自信あるし男同士が普通なら、もう少しお誘いとかあってもいいと思ってたんだが。
今まで自分から行かなくても不自由してなかったせいか、誘うっていうのがどうも苦手だし誰選べばいいか分かんねー。
それに性処理に関して危機的状況だ。
だから……。
「せっかくのお誘いを断るってのも、ね。」
ニヤリと口を歪めてカードをズボンのポッケに突っ込んだ。
中身は最悪だが、見た目は申し分ねーしな。
あいにく俺は人を好きになったことなんかねーし、玲輝が心配するよーなことはないだろ。
向こうが飽きるまで遊ぶって言うんなら、こっちも楽しませてもらおうじゃねーの。
時間的に少し早いかもしれないけど、自室を出てエレベータに向かった。
「これ使うのか?」
エレベータの中で先ほどしまった金色のカードを取り出す。
これがねーと最上階まで行けねーって言ってたから、どっかに使うんだろう。
試しに一番上にある8の数字を押して見ても反応がなかった。
カードには部屋番号が記されているから奴の部屋は801号室だ。
エレベータ内のボタンの近くをよく観察していると8のボタンの更に上に細い溝を発見した。
カードを通したらピッと音がした。
「おお。つーかなんだよこのシステム。」
再び8を押したら今度はエレベータが動き出した。
なんであいつだけこんな特別みたいな扱いなんだよ?まさか会長だからとかじゃねーよな?
しばらくして扉が開くと目の前の光景に口を開いたまま固まった。
どう見ても俺たちの階と比べると高級感が溢れている。
しかもなんだこれ、爽やかな香りつきだぜ。
最初のコメントを投稿しよう!