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起きてからものの数分で制服をきっちり着こなし洗面所に押し込められた俺。
目の前にあった鏡に映っている自分を見てすぐに着崩した。
きっちり制服着るとかありえねぇし。アクセつけまくってるし髪は赤いし右側に黒メッシュ入れてるようなやつがそれやってたら何キャラだよってゆーね。ウルフカットで少し伸びた襟足がお気に入りだ。
言われた通り顔洗って歯磨いて、グレーのカラコンを装着。ワックスで軽く髪を遊ばせてから洗面所を出てみると。
「す、すすすすみませんでしたァァァァ!!」
土下座を通り越してうつ伏せに倒れてる奴がいた。
えーーーーー……いろいろ突っ込みどころ満載だがとりあえず。
「サンドウィッチは?」
腹減ったんでね。
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「ご、ごめんホントごめん……。俺、実家に弟3人いてさぁ、ついいつものクセが……。」
「だからいいっつってんだろ。」
先程の威勢はどこにいったのやら、俯き加減でビクビク怯えながら謝り倒す彼は、同室者の雨宮 颯斗。
どこにでもいそーな平凡な顔に眼鏡がプラスされて一言でいえば地味なやつ。見た目は。中身はお兄ちゃんだったけど。
身長が少しばかり平均より低いのは言わないでおこう。
「お前のこと兄貴って呼ぶわー。」
「えっ!?」
「あ、やっぱダメだった?」
「いやいやいや全然いいよむしろいいよ俺の一個下の弟が日向くんみたいに不良なやつでね!一番世話が焼けるんだけど根は凄くいい子なんだよ!ちょっと夜遊びしてたりチームとかに入ってたりやんちゃなやつなんだけど朝はちゃんと起きて学校行ってるし弱いものイジメとかしてないからまぁいいかなぁ…………って!」
「はいストップ!」
顔をほにゃーっと緩ませて語り出したかと思えば自分の失態に気付いたのかサーッと音が聞こえてきそうなくらい青ざめる雨宮。
こいつとは昨日からの付き合いだが次の行動が読めてしまい、腕を伸ばして土下座ならぬうつ伏せを止めさせる。
ここ廊下だからな、周りに人いるからな。
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