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けど、私のそのカラフルな世界は、今日無神経なバカガキ達によって汚されてしまった。
「おーい、島原がノートに何か気持ち悪い絵を描いてんぞぉー!」
お昼休み、私のノートを覗き見した一人の男子生徒が私からcampusノートを奪い取ると、群がった他の生徒がそこに「排泄物のマーク」や「簡略化された性器」など、未熟な画力で描けそうなイラストを次々と描きこんでいったからだ。
クラスメイトは、誰も私に同情をしなかった。
男子達は「お前、ひどい事するなぁ!」と言いながらもゲラゲラと笑い、女子達も普段一人で行動している私に同情する事はなく、遠巻きにヒソヒソと何かを囁くのみであった。
私はトイレに駆け込むと号泣し、そのまま5時間目と6時間目の授業をボイコットした。
完全な調和が保たれていた私の世界に、強盗のように土足で上がり込み、踏み散らかしていったクラスメイトが殺したい程憎く思ったからだ。
一歩間違えば、この事件をキッカケに私は登校拒否をしていたかもしれない。
しかし、私はcampusノートにカラフルなキャラクターを描き続ける事によって、どうにか不登校をせずに学校に通い続ける事が出来た。
言わば、この時の私は「自分が生み出した妄想」によってかろうじて支えられていたのだ。
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