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【 プロローグ 】
「ふぅ~。さあ、描くか」
僕は学校から帰ると、いつもすぐに自分の部屋へ閉じこもる。
鞄をベッドに放り投げ、乱暴にドスンと椅子へと座り、背もたれに背中を付けて思いっきり伸びをした。
「さあ~、今日も頑張るぞぉ~」
高校に入ったばかりで、まだ周りに友達らしい友達もいない。
いや、正確には、中学からずっと友達なんて呼べる存在は一人も居やしなかった。
部活にも入らず、友達と遊ぶこともなく、まっすぐに家に帰る毎日。
それには、訳があるんだ。
この作品を描くこと。
この机の上に並べられた僕のかわいい作品たち。
高校に入り、パソコンとペンタブレットを親に買ってもらった。
今まで、紙に描いていたアナログ作品も、今やデジタルで描ける。
そう、僕は漫画を描いているんだ。
僕の大好きなこの作品をずっと描き続けている。
小学4年生の時。
初めて出会った時から、僕は君に夢中なんだ。
2次元の世界ではあるけれど……。
パソコンの画面に映る自分の描いた理想の彼女に、思わず声が漏れた……。
「和金ちゃん……」
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