30人が本棚に入れています
本棚に追加
【 和金ちゃん? 】
和金ちゃんは、今日もかわいい笑顔を僕に向けてくれる。
というか、僕がそう描いているのだけれども。
しかし、実にかわいらしい。
栗色のショートヘアーに、赤色のワンピース。胸の部分は白色で、袖と裾には和金ちゃんの特徴でもある綺麗なヒラヒラが付いており、花が開くように風に靡く。
その透き通ったシースルーのヒラヒラから、彼女の美しい白い足がとても眩しく輝いて見える。
「和金ちゃん、今日も頑張って描いてあげるからね~」
多分、他の人がこの僕のニヤついたとろんとろんの締まりのない顔を見たら、変態だと思うだろう。
でもいいのだ。変態と思われても。
「ふ~ん、空くんって、変態さんなんだね♪」
妄想が爆発して、なぜだか耳元で和金ちゃんの声を感じる。
「ふふふ、和金ちゃん。そう、僕は変態さんなんだよ」
目を細め、顎に手をやりながら、ニヤリと笑う。
「へぇ~、そうなんだね♪」
んっ? 妄想にしてはヤケに声がリアルだが……。
少しだけ僕の左側に何やら人の気配を感じる。
僕は顔を左側に向けてみた……。
「こんにちは。空くん♪」
そこには10cmの近距離になぜか笑った女性の顔が……。
「はっ……?」
「やっほーっ、空くん♪」
「はっ、はっ、はぁーーーーっ!?」
驚き過ぎて椅子からドスンと転げ落ち、尻餅をついたまま、ベッドの端まで体を上に向けて歩くクモのように後退りをする。
「だ、だ、誰……!? 君……!?」
その彼女は、両手を腰に当てながら、僕に向かってかわいらしくこう言った。
「あなたの大好きな、和金ちゃんだよ♪」
このイカれた小娘は、何を言っているのだ……?
最初のコメントを投稿しよう!