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【 イカれた彼女? 】
明らかに違和感がある……。
突然、僕の部屋に勝手に入ってきて、和金ちゃんだと……?
「き、君は何者だ……!? どうして勝手に人の部屋へ入って来たんだ……!?」
すると、彼女はニコリと笑いながら、不思議なことを言う。
「いつも空くんの部屋にいるんだけど私」
「はぁ!? 何言っちゃってんの……!? いつもいるわけねぇーし! 出てけよ!」
やっぱりこの小娘はイカれてる。
どう見たって、かわいい顔をした『不審者』だ……。
「ひどいよ~、空くん。いつも私のことかわいがってくれてるじゃない」
彼女は膨れっ面だ。
その顔もまた実にかわいい……。
いや、そんなことを思っている場合ではない。
このかわいい顔をした『不審者』を追い出さなければ……。
「僕は君のことなんか知らないし、いつもかわいがってなんかない」
「かわいがってくれてるよ」
彼女は次に口を尖らせた。
その表情も実にかわいらしい……。
って、違う、違う。そうじゃなくて……。
その思いを振り払うかのように、目を瞑りながら首を横に思いっきり3回振る。
「ぼ、僕がかわいがっているのは、このパソコンの中の和金ちゃんと、あそこにいる和金ちゃんだけだ」
そう言いながら、部屋の壁側の棚の上に置いてある水槽を指差した。
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