ありがとう

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 父の四十九日法要は滞りなく済んだ。   この世に残っていた故人の魂は、四十九日を境に次の世界へ旅立つ日だといわれている。  父と思い出話を語り合った四十九日間。  あれは夢か、それとも父への思いが見せた幻だったのだろうか?  けれど確かに、父は私のそばにいた。  夢でも幻でも幽霊でもかまわない。おかげで私は、なんとか立ち直ることができそうだ。 「7×7は最強のおまじない。最後もこの言葉で見送ることになるなんて、なんだか皮肉だね。でも最強のおまじないのおかげで、もう泣かずにすみそうだよ、お父さん。ありがとう……」  別れの言葉に応えるように、風がふわりと私の頭を撫でつけた。  了
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