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「今、どこにいますか?」
幾度となく彼女を見つめました。
それは、彼女の近しい者の死であったり、彼女に関わる者の死であったりしました。
あたかも何者かが私に振り分けているかのように、私は彼女を目にすることが多く、叶いました。
今、彼女が空に向かって問いかけています。
そっと、私は彼女の傍らに立ちました。
ふいに何処かで同じ光景を目にした覚えが巡りました。
───「今、どこにいますか?」
先に死した私に応え返すことなど出来はしないのに、君は何度もそう問いかけてくる───悲しみが全身を覆いました。
出会ったあの夜からどれほどの時が流れたのでしょう。
彼女は時の流れに沿って生を謳歌していたように思えます。
「とても美しい年月を数えましたね」
私は自ら彼女に話しかけました。
「……やっと、来てくれたの?」
ふわりと軽々しく起き上がり、彼女は勢いよく私に振り向きました。
「はい、約束……だから」
胸に飛び込んでくる君を同じ体温で抱きしめることが出来た。
長く忘れないで居てくれた君を送ることが出来る。
生に絶望して身勝手に自死した僕は君と同じ場所へ行けないけれど、君は僕との約束通り生き抜いてくれたから。
これは、天が与えてくれた君への賜物だろう。
そして、永劫となる僕への罰だろう。
これが、本当に君との別れとなるんだね。
〜fin〜
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