不幸

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不幸

 私は不幸だ。 小学生の頃、そんな作文を作って、親にこっぴどく怒られた。 その当時、作文に嘘を書いてはいけないものなのかと思っていた。  だが、母親はそうは思っていなかったようだ。 さんざん怒鳴りつけられ、挙句の果てには手を出した。 母親は、きっと嘘をついていてでも、自分を上にあげたかったんだと、 私は思った。 「ねぇ、お兄ちゃん、どうして私は殴られるの?」 幼いながらに虐待を受けていた私は、実の兄にそんなことを聞いた。 「きっと、ユキが可愛いから、ついつい甘やかしてしまうんだよ。 だから、それを抑えるためにわざとやってるんだと思うよ。」 「……。そっか。」  私は、『雪奈』という、自分の名前が嫌いだ。 なんせ、母親につけてもらった、つけられた名前だからだ。  そして、お兄ちゃんは、嘘つきだ。 だって、そんな優しい、母親が…なんで、なんで… 『お兄ちゃんを殺す』のさ…
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