不幸

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 私は帰り、そいつの肩を引いた。 「おい。ありがとうも無しかよ。」 彼はこう続く、 「助けてなんて言ってねぇし、勝手に助けておいて気取ってんじゃねぇよ。」 「きっ気取ってるなんて…、俺は、お前が助けて欲しいそうに見てたから助けてやったんだぞ?お前こそ、助けが必要なかったーとか言ってんじゃねぇよ!肩叩かれたんだぞ?お前に関わってなきゃ、あぁは、ならなかったね!」 「……!」  そいつは、何も言えないようだ。もしも聞き分けが悪いやつたら、 まだ言い合いは続いていたことだろう。  すると、そいつは、後ろを見る。猫背になった。きっと泣いている。 (弱い男だ。もっと言えばよかったのに、頭の回転スピードは遅いみたいだな)  私は、はっと気づく、 (あれ、今、『俺』って言わなかった?自分)  でも、今はそんなこと気にしてはいられなかった。 そいつは、ズルズルと鼻水をすすっている。 「わっ悪かったよ。ごめんね。」 私は、とりあえずの謝罪を申した。 「なっ泣いてない…もん」 (お前、可愛いところもあんじゃん!) そいつは振り向く。こちら側を向いたのだ。 「ありがとお」 えっ……そんだけ?と私は思ったが、 「どういたしまして、代わりに学校案内をしろ!」そう言った。 私は、そいつのせいで、学校をまわれずに過ごしていた。 おかげで移動教室の時も、女子の軍団について行かなければならないのだ。  そいつは、ニコッと笑い。 「へいへい。わかりやした!」 そういった。そして、分かれ道。彼はこう言い放った。 「じゃーな!」
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