詩集

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「春のひまわり」 いつの間にか時は過ぎて 別れの季節がやってきた また別れをするために 前に進んで行く 立ち止まるなんて出来ないから この先ずっと あどけない笑顔に許されて 緩やかな言葉を交わしあった 乾いた肌と書きなぐったメモ帳と 取り留めのない話が交差する 何年経って 何年経った後 またあなたの笑顔が見れるだろう 猫の話がお気に入りで  犬の話は好きではなくて 合わない二人は噛み合わないけど それでも笑いあえていた 小さな蛙が泣いていたけど 話してみたなら一緒に笑って 一緒に話したふるさとの事 雪深い街と冷えた朝 白い息はゆっくり消えて 握りしめたカイロは軋みながら 仕方がないなと温度を上げた ひまわりは咲いたと聞いたけれど まだ見たことはなくて 雪解けの川の流れを一人 静かに見ていた東雲の春 猫の話が好きで 犬の話は好きではなくて  それでも笑うあなたの笑顔が ひまわりのようだと記憶に刻んだ 桜の季節は始まりだけれど 別れの季節に桜は咲いて 握りしめていたカイロは熱を無くして 始まりの日を告げて去って行った あなたの笑顔はひまわりのようで 夏は嫌いとまた笑っている 手を振るあなたはやっぱり笑って ゆっくり歩いて 旅立って行く
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