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「私の錯乱」
軽い軽い夢物語 どこまで貴方は信じているの
空洞になった胸の中で 梟の鳴き声が木霊する
緩い緩い頭を使って 私は必至で考えている
この世界で生きる術を
斑模様の視界が薄れて 彼の声が耳を擽る
視界が戻れば私は立って 聞かせて欲しかった貴方の歌声
暗い暗い時間の中で 光が灯った一度だけでも
薄い薄い心の中で ゆらりゆらりと落ち葉が揺れる
どうせ雨に濡れて朽ちるのに
私の前では机が現れ 紅茶を啜ったシャム猫が笑う
毎日が繰り返されて 誰かの前では誰かが亡くなる
私の前では毎日決まって 過去の私が笑えずに泣く
ゆっくり歩いた 歩道の上を 貴方はまた振り返り笑う
木漏れ日の中 風が冷たく 私は左手を握りしめる
物語の最終章で ミミズクの声は誰に届くのだろう
狂った世界は修正されて 明日には元に戻るのだろう
斑模様の視界が薄れて 彼の声が耳を擽る
視界が戻れば 机の目の前 コールタールを啜る
シャム猫が笑う
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