#19 つよしの秘密2 

1/1
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ

#19 つよしの秘密2 

(つよし目線 その2) それにしても・・・。驚いたな。あいつ。 圭大を守る為なら、俺にもう一度、抱かれて もいいとか。 マジか!? お前いつから、そんなキャラになったんだ? 本当に。 どんだけ、健気(けなげ)なんだよ。 ・・・すぎるだろう。本当に。 あいつが、セフレとしての意味じゃなくて、 他人(涼馬)に興味を、示すところも初めて 見た。 本当に、最近、ゆうは別人の様に変わった。 それは、二つのことを、意味する。 一つ目。 悪いことには、俺には、もうチャンスが なくなった、ということを意味している。 ゆうは、元々(まれ)に見る鈍感なヤツなんだ。 本当に。 なんで? 俺の気持ちに5年間も、気づかないんだろう? まぁ、そのおかげでセフレ関係が、続いてき たんだけど。 あいつは、自分の決めたルールに従って、 冷酷なほど割り切って、男たちとのこれまで の関係を、断ち切ってきた。 自分が、納得しない限り、指一本でも触れさ せようとはしなかった。 そう言えば・・・。 中学三年の時に、英語の新任の若い男の先生 がやってきた。 そのうち、そいつが、ゆうに密かに惚れて いくのを、俺たちは皆、気づいたのに。 当の本人、ゆうだけが気づかなかった。 「長谷川君、僕は・・・。」 何を血迷ったか、放課後、先生は二人きりの 教室で、告白しょうとした。 その前に様子が、おかしいことに気づいて いたので、廊下で見ていた俺が、割って 入った事があった。 その時、あいつは、本当に意味が分からない という様子で・・・ 「何ですか?用事があるので、手短に。」 真顔で、平然と先生に、尋ねていた。 まったく、本当に呆れるぜ。 先生も絶句してた。 その後、先生は、ゆうへの思いがひどくなり 精神的に病んでしまって・・・。 あいつの知らない内に、先生をやめる 事態にまで、陥った。 受けてきた愛情の少なさか、愛情面での 人の気持ちに、(うと)いんだ。 本当に、あいつは、罪なやつだ。 二つ目。 いい意味で変わったのは、素直に自分を出せ 本気で、笑えるようになってきたこと。 友人としては、笑顔のあいつを見られるのは 何よりうれしいんだけど・・・。複雑。 ゆう。 藤崎に、これから一杯幸せにしてもらいな。 さて・・。 俺も、立花の件で何か、協力できる事ない のかな。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!