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くしゃっとあたしの頭を撫でると、先輩は楽しそうに笑った。
「羽美、あの先輩と付き合うことにしたの?」
教室でおはようも言わずに、楓が真っ先に言った言葉はこれだった。
「楓、全く同じ質問を今朝お兄ちゃんに聞かれたよ」
だんだん似てきている気がする、このカップル。
しかも、そう言われた楓は嬉しそうにしているし。
「手つないで登校してきたのに?」
まさか先に登校していた楓に見られているなんて思わなかった。
「あれは……先輩が無理やりっ」
「ふーん、そうなんだ。羽美もノリノリに見えたんだけど、私の気のせいか」
ノリノリだなんて……
そんなこと絶対ないのに。
もうっ、楓が変なこと言うから……
先輩の手の温もりを思い出してしまった。
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