13.先輩の好きな人のフリ

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くしゃっとあたしの頭を撫でると、先輩は楽しそうに笑った。 「羽美、あの先輩と付き合うことにしたの?」 教室でおはようも言わずに、楓が真っ先に言った言葉はこれだった。 「楓、全く同じ質問を今朝お兄ちゃんに聞かれたよ」 だんだん似てきている気がする、このカップル。 しかも、そう言われた楓は嬉しそうにしているし。 「手つないで登校してきたのに?」 まさか先に登校していた楓に見られているなんて思わなかった。 「あれは……先輩が無理やりっ」 「ふーん、そうなんだ。羽美もノリノリに見えたんだけど、私の気のせいか」 ノリノリだなんて…… そんなこと絶対ないのに。 もうっ、楓が変なこと言うから…… 先輩の手の温もりを思い出してしまった。
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