13.先輩の好きな人のフリ

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本当は彼氏としたかったことを、オオカミ先輩としているということに。 「なに、羽美、いじけてんの?」 「いじけてませんっ!」 「ふっ、かわいーな、羽美」 先輩はぐっと背中を曲げて、あたしの顔に近づいてくる。 少し顔を動かしたら、頬がくっついてしまいそう。 「ち、近いですっ、先輩!」 「いいじゃん。俺は今、羽美を口説いてるんだし」 「それはフリでしょ!」 「羽美、ばか。声でけーよ」 そうだった…… せっかく先輩がここまでしてくれているというのに。 バレたら元も子もない。 「ここでキスでもしておいたほーがみんな信じるか」 「へ!?」 「なに驚いてんだよ」 「だって……っ、そんなことまでしなくても」 「ふっ、わかったよ」
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