13.先輩の好きな人のフリ

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オオカミ先輩の攻撃は朝だけではなかった。 休み時間も時々、教室に顔を出しに来たのだ。 「よっ、羽美」 今の席はちょうど廊下側の1番後ろの席。 だから、先輩が来たのをすぐに確認が出きる。 「どうしたんですか?先輩」 「次移動教室だからさ、ちょっと寄ってみた」 あたしには意味がわからなかった。 先輩がどうしてここまでしてくれるのか。 確かに先輩がしょっちゅう来てくれるようになって、周りでひそひそ陰口を言う人は格段に減った。 それは助かっているのだけれど…… 先輩には何のメリットもないのに、どうしてだろう。 最近はそんなことばかり考えていた。 放課後は今までと変わらないと言えば変わらない。 普通に練習をして、終わったら一緒に帰る。
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