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オオカミ先輩の攻撃は朝だけではなかった。
休み時間も時々、教室に顔を出しに来たのだ。
「よっ、羽美」
今の席はちょうど廊下側の1番後ろの席。
だから、先輩が来たのをすぐに確認が出きる。
「どうしたんですか?先輩」
「次移動教室だからさ、ちょっと寄ってみた」
あたしには意味がわからなかった。
先輩がどうしてここまでしてくれるのか。
確かに先輩がしょっちゅう来てくれるようになって、周りでひそひそ陰口を言う人は格段に減った。
それは助かっているのだけれど……
先輩には何のメリットもないのに、どうしてだろう。
最近はそんなことばかり考えていた。
放課後は今までと変わらないと言えば変わらない。
普通に練習をして、終わったら一緒に帰る。
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