1.彼氏は学校の王子様

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悪い気はしないのだけれど、見られているとイチャイチャできなくて少し残念かもしれない。 本当はもっとイチャイチャしたいのに。 「航くんって部活入らないの?この前もバスケ部から勧誘されてたよね」 「うん、部活はいいかな」 「そうなの?もったいないなあ。バレー部とかサッカー部からも勧誘されてたよね」 「あー、入学当初はね」 航くんの柔らかい物言いに、心がほっこり和んでいく。 あたしは毎日たっぷり癒される朝を迎えているのだ。 「羽美ー、おはよー!あ、王子も」 教室に入ると真っ先に声をかけてくれるのは、篠原楓(しのはらかえで)だ。 彼女は幼稚園の頃から一緒で、いわゆる幼なじみ。 明るくて元気な社長令嬢なのだけれど、身分の差は感じたことがなくて、あたしの唯一の親友なのだ。 「おはよー!楓」
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